第6章 商品開発 5.商品の価格設定 (2)ホテルにおける料金設定 2.ホテルの料金設定に対する顧客の反応事例

2.ホテルの料金設定に対する顧客の反応事例
顧客の立場で見ればホテルから請求される料金は、顧客が享受した宿泊、飲食などのサービスの対価として支払われる。
同じ商品やサービスの提供を受けながら、その金額が高いか、安いかの判断は顧客の満足度によって大いに異なるところに、ホテルの料金設定の難しさがある。
同じ商品やサービスても購入した時点の顧客の肉体的、精神的状態や、サービスを担当した従業員から受ける時間的または感覚的条件によって、満足度にバラツキが生じ、これが価格に対する評価の相違になるのてある。
例えばホテルのあるレストランで、同一日時に同じ料理、飲み物を注文した二組の顧客AとBがあったとする。

*Aは夫婦て自分の娘の誕生祝として、数日前から予約をし、この日を楽しみにしていた。
それぞれの好みの料理をレストランと相談し、当日のシェフ・サゼスチョンが最適として決めていた。
あらかじめ娘の誕生を祝う食事会と理解していたレストランは、一同が着席後小さなバースデイ・ケーキをプレゼントし、従業員一同の「ハピー・バースデイ」の合唱の中てロウソクを吹き消すセレモニーも加わり、他の来場客も拍手をもって祝った。
料理とサービスは和やかな雰囲気でてきぱきと進められ、この家族は非常に満足したことはいうまでもない。

*一方顧客Bは、取引先数人の接待の場として予約なしてこのレストランを利用したが、着席するや取引先に注文を任せ、メニューも確かめずに飲食が始められた。
メニューの中にはBが好きでない料理もあり、取引先の接待に集中したため、B個人としては飲食を楽しむ雰囲気てはなかった。
しかし、サービスは標準のレベルで行われ、取引先は大いに満足し接待は成功した。

*この状態の二組の顧客A、Bの満足度には、ともにレストラン利用の目的を果たしたとはいえ、双方の肉体的、精神的状況に大きな開きがあり個人的満足度にも大きな差があることは否めない。
双方の支払った金額に対する感覚もAはすべてに満足すべき環境にあったのに、接待そのものは成功しても、Bは個人的には飲食を楽しむ雰囲気にはなかったに違いない。

*この場合、Aはレストランの請求する金額を上回る満足を得たので、ホテルの料金設定に対して安いと感じ、Bは個人的には楽しくなかったことて高いと感じる傍ら、接待の成功で、デメリットを相殺し料金設定は普通と感じたのてはなかろうか。
万一招待客との高談が不調に終わった場合、レストラン側に何の落ち度がなくても、Bはホテルの料金設定を高いと判断するに違いないし、まして従業員のサービスにミスがあれば、どのような判断になるか想像に難くない。
このように個人的な条件の違いにより、顧客のサービスに対する料金の評価は千変万化する性質を持っている。
このことを踏まえたホテルの料金設定のポイントを紹介する。

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