5.モニタリング調査による改善プログラム
改善点を指摘後、ホテルの要請に応じて改善プログラムを策定する。
この時は改善プログラムとして、改善点のみならずサービスの総合的見直しを勧め、レストラン部門各営業施設共通のサービス理念を具体的に「サービス・スタンダード」 (当該営業施設のマニュアル以前に履行させるサービスの最低基準)を制定し、レストラン別にこのスタンダードに準拠した細部を補足するサービス・マニュアルを策定させる。
サービス・スタンダードは、例えばレストラン部門でいえば、共通部分として下記を定める。
これらはすでに理解されているはずの事項ながら、案外知らない人が多いため、再認識を含めて標準化する。
(ア)ホテルが設置したレストランなどの正しい理解と認識を共有するために
*レストランなどの設置目的とネーミングの由来
*レストランの使命
*レストランの施設概要(テーブル数、席数、テーブル番号の配列、配置の原型等)
*営業施設別の営業時間、設置階
*各レストランなどの運営組織および従業員の勤務シフトと役割別配置状況
*各階のパブリック・スぺ-スの案内先(トイレ、エスカレーター、エレベーター、タバコの自販機、公衆電話、ハウス・フォン、館内案内図など)
(イ)共通する接遇の理念、概念
(ウ)非常事態発生時の対応
(エ)時間帯別プレパレーション(準備作業)
㈲サービス業務を支える用具、機材、設備など
最も格調の高いレストランの最低基準を定めたサービス・スタンダードを設定し、その他のレストランなどで設定したスタンダードに該当しない事項を省くか、改定して各レストランなどのサービス・スタンダードを設定する。
ただし、全レストラン部門共通部分のレストランの使命、サービス概念、非常事態発生時の対応などの基準は変えない。
詳細については、後述の第10章2節の「レストラン・サービス・スタンダード」を
参照されたい。