モニタリング調査は先に述べた通り、ホテルの対象営業施設の運営、サービスに問題がある時に、調査機関などに運営、サービス一切についてモニタリング調査を依頼することがある。
その実施例としてあるホテルのフレンチ・レストランのモニタリング調査実施例を紹介する。モニタリング調査は営業施設の規模の大小に関係なく、調査のステップおよび作業は大同小異である。
1.レストランのモニタリング調査のステップ(例)
レストランのモニタリング調査のステップは以下の手順により行われる。
a)当該レストランの状況および改善要望事項について会社より聴取
b)レストランの経営資料を分析
c)レストランの営業体制(営業時間、運営組織、組織構成員の個別の役割、勤務シフトなど)、サービス・マニュアルの点検
d)テーブル配置、厨房レイアウト、デシヤップ、サービス動線を図面により点検
e)覆面によるモニタリング調査の実施
f)モニタリング終了後レストラン幹部と面談
g)モニタリング報告書作成
h)サービス改善案についての提案
i) 「サービス・スタンダード」の設定
2.レストランのモニタリング調査のねらい
モニタリング調査は、第三者の専門家の覆面による公平かつ、客観的な評価を総合的な視点で行うものである。
レストランの接客能力、メニュー、テーブルコーディネート、設備とクレンリネスにポイントを置きながら総合評価を行う。
チェックポイントは数百項目におよび、評価シートに基づき点数化している。
調査は原則として、顧客がレストランで食事をする時のサービスの流れにしたがって行う。
3.総合評価
レストラン・モニタリング調査はレストランを総合的に評価し、改善点があれば指摘する。
とくに定型的なフォーマットはない。
調査内容については巻末資料の『モニタリング調査実施要項』、 『総合評価』、 『調査細目サンプル(抜粋)』を参照。
4.レストランのモニタリング調査報告書
レストラン総合評価に基づき、モニタリング調査票を添えて調査報告書を作成し、一連のモニタリング調査は終了する。
とくに改善点について強調し改善を促すことが重要である。