第3章 5.ホテルにおけるマーケテイング・リサーチ活動 2.マーケテイング・リサーチの具体的な方法

ホテルの営業各施設のマーケテイング・リサーチの目的と課題が明確になった時点で、調査活動が開始されるが、調査の対象および内容は、それぞれの目的と課題に適合した手法で行わなければならない。

1.マーケテイング・リサーチの分類別手法
ホテルでマーケテイング・リサーチを行う時は、営業施設別のほか、目的、課題、内容によって以下のように分類される。
以下順次これらの手法について説明をしていく。

第3章 5.ホテルにおけるマーケテイング・リサーチ活動 2.マーケテイング・リサーチの具体的な方法

*館内インタビュー
主として調査対象となる営業施設の、サービス改善を目的としたモニタリング(依頼を受け顧客の立場で対象となる営業施設のサービスを体験し、意見を述べること)活動に併行して行われる。
報告事項を客観的に整理する意味で、サービス担当者の意見を聞くことを重要視している。

*アンケート調査
ホテルの宿泊、レストラン等、宴会、婚礼各部門では、備えつけたり郵送したりするアンケート用紙を準備し、顧客に利用した営業施設の評価を聞く手法である。
調査コストは低廉であるが通常回収率は宿泊、レストランなどの部門では5%以下であまり高くないが、宴会、婚礼部門では30%以上の回答が得られる。
回答者はホテルのサービスに関心を持つ顧客が多いため、ホテルにとっては貴重な意見、評価が多く、非常に参考になる。
ホテルはこれら顧客の意見、評価をどのように受け止め、改善するがを顧客に答えることにより、さらなる評価の向上が期待できる。

*電話調査
調査機関に依頼して、無差別にホテルに関する顧客の意識調査を行う手法である。
短期間に多くの対象から意見を聞くことができるメリットがある。
とくに、開業準備中のホテルやイベントの前後のマーケテイングに効果的である。

*訪問面接調査
ホテルのセールス担当者が、標的とする顧客を個別に訪問して意見を聞く手法である。
調査項目が広くかつ面接することで綿密な回答が得られる。
また、回答者の言動から、調査内容以外の意見を得ることもできる反面、訪問、面接するため調査対象の数が少なく(1日に8-10件程度)、人件費がかさむ上、調査に当たるセールス坦当者の技術的なスキルも多分に要求される短所もある。

*グループ・インタビュー
個人的ではなく複数の顧客をグループ化して集め、同じ調査項目についてそれぞれから意見、評価を聞く手法である。
ホテルでは特定のイベントに招待し、終了後一室に集めて、イベントに関する意見を聞くことが一般的である。
同程度の客層に絞っているため、また個人ではないので活発な意見、回答が得られる。

*モニターに対する調査
ホテルからあらかじめ特定の顧客にモニターを依頼し、調査内容について一着期間ホテルの対象営業施設のサービスを体験してもらい、意見と評価を聞く手法である。
多くの場合、対象営業施設には調査されることを隠し、通常のサービスのありのままを見せる覆面調査により行う。
近頃話題になっている出版社等による「ホテル・ランキング」の格付けは、ホテルにも調査活動することをふせ、記者は一般客として利用しこの手法により調査した結果を発表するものである。

*郵送による調査
通常ホテルでは、宴会、婚礼などの比較的高額商品購買客に事後礼状に添えて郵送し、所定の質問事項に回答を求めるアンケート・タイプの調査である。
調査対象は限定され数的に少ないものの、比較的回答率は高く調査コストも低廉である。
しかし、回答によってはとくにクレームが含まれる場合には、訪問して説明、売上額の修正など、回答内容に相応する事後処理が必要になる特性を持っている。

*インターネットによる調査
ホテルのホームページには、ホテルの営業各施設の宣伝・広告、予約の受注とともに、 「お問合せ」という項目が用意され、顧客または会員のあらゆる要望なり声を聞く手法が用意されている。
インターネットによる調査の特徴は、顧客は面談と異なり自由な立場で気兼ねなく意見を述べられることと、ホテルの利用経験の有無に関係なく広い範囲の声を聞くことができる。

*会員に対する調査
会員は本来的にホテルのサポーター的な色彩が濃いところから、その意見には他の調査に見られない親身な立場で快適なサービスの追求に効果がある。
とくにレベルの高い観点からの意見が多い。
会員との定期的な会報等の配布時に、同封するため調査コストはほとんどかからず、会員とのコミュニケーションを促進できる利点がある。

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