ホスピタリティという言葉は、わが国ではいまやカタカナ表記で日本語化しているほど一般化し、決して難しい言葉ではなく、むしろ日常的に頻繁に使われている言葉として定着している。
ここでは、ホスピタリティの意味の再確認を兼ねて、この言葉の語源を遡ることとする。
英和辞書を引けば、 hospitality=親切なもてなし、歓待、厚遇という語訳が出てくるが、その語源は次のようになっている。
よく似たスペルながら、 hostility=敵意、敵情心、敵対行為、戦争行為などという言葉があるが、これは異文化を取り入れる接点がない言葉とされている。
しかし、異文化との交流があったとされるhospitalityは、以下のような合成語としてその語源が求められる。
ホスピタリティの原語は、古代ラテン語のhospesとpotisの合成語で、当時の絶えず危険と隣合せの旅人を、能力のある宿の主人が社会的責務としで憐れみを持って保護したことに端を発している。
やがてこの言葉が時代の推移とともに、派生語のhospitalis→hospitaleと変化し、現代のhospitalityとなったとされている。
いずれにしても、ホスピタリティは本質的に異文化との交流に触発され発展した言葉で、人を親切にもてなすことを意味していることは明らかである。