次にサービスを買う顧客が持つサービスに対するいろいろな問題点を、ホテル側が理解することも重要なマーケティングである。
物財の売り手側によく見られる自己都合による「製品志向」の考え方を完全に排除する姿勢が重要である。
マーケティングの発想の基本に「サービス業は形のないものを売るビジネス」という思考を常に持ち、それぞれの商品についても、たとえホテル側が満足できるものであっても、このサービスは顧客のニーズに合っているかどうかをチェックし、努めて自己満足に陥らないよう注意するマーケティングが必要である。
それらのチェックのひとつの手法として、まず顧客が残した「アンケート」の回答な単なる小言または褒め言葉と軽視せずに、性別、年齢別、出身地別、職業別、社会的地位別程度に分類、ファイルするくらいの事務処理は日常的に行いたい。
その中にはホテル側の気がつかない珠玉の顧客ニーズが盛り込まれ、また、回収率5%未満のアンケートにのみ頼ることなく、チェックアウト時に見送りの挨拶を兼ねた会話の中で、滞在中の顧客の利用経験による満足度をチェックするのもよい方法である。
これにより集めた情報も同様にファイリングすれば、一定期間ごとの分類別に顧客像と顧客ニーズとが明らかになってくる。
これらを基に新商品の開発、従来商品の改善や廃棄の合理性を求めることができるのがマーケティングの効果なのである。
このような日常的に地道な作業の積み重ねが、集客までのマーケティングの最も効果的な基礎的資料になる。
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- 第1章 4-1-2 問題点を理解する
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