第2章 4-2-2 「サービス」業とは

ここまでに形のある価値(有形財)の提供とその流通について述べてきたが、併せてサービス業はどのようなものなのかを考えてみたい。
形のない価値(無形財)の提供は、企業だけではなく政府や地方公共機関などの「官公庁」も提供している。
一方で物財を販売する卸、小売業(商業機関)は形のあるものを提供しているので、一見サービス業ではないように思えるが、実はそうではない。
有形財を世の中に送り出すには、第一次産業の生産者から原料となる有形財を流通ルートを経由して仕入れ、製造、加工して商品にするのが第二次産業である製造業者である。
その商品を検品して仕入れ、需要に合わせて必要量をストックし、顧客の購買欲を高める商品構成(品揃え)を考え、顧客が希望する場所に店舗や営業所を設置し、その店舗や営業所を顧客が満足して購入してくれるような状態に演出(陳列、照明、装飾)して販売するのが卸、小売業である。さらに、卸、小売業は、信用販売(掛売り)、配達、客用駐車場の整備などの「便益」を提供するのが本来の仕事である。
この一連の仕事のサイクルは「業務的サービス」といわざるを得ず、商品という物財の販売ながら実は無形財の提供をしていると見るほうが自然である。
これゆえに、商社、卸売業、小売業などの商業機関に官公庁などの公的サービス機関を加えた全体を、広い意味での「サービス業」と呼ぶことができる。
この広義のサービス業グループが産業分類でいう第三次産業に該当するのである。
このように「サービス」はかなり広い意味を持って商業活動の幅を広げ、この「サービス」を手段として商業活動をするサービス業も、かなり広範囲の業種によって網羅されているということをご理解いただけたであろう。

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