サービスについては次章で細かく触れるが、サービスは有形財である物財と異なり、購入した顧客が保有や保管することができず、かつ消費の瞬間に消滅する無形財という性格上、マーケテイングについてもある部分については、物財と同じ手法ではうまく適合しないことが多い。
サービスを商品とする典型的な事業といわれる「ホテル事業」を例にとって考察を進めていくと、サービスのマーケテイングはどのようにすべきかがはっきりしてくる。
顧客がホテルで結婚披露宴をする時、挙式や披露宴会場の規模、設備、内装そして料理や飲み物はパンフレットであらかじめイメージを膨らませ、現場で見たり試食したりして検討することができる有形財の部分もある。
しかし、サービスの質、施設の快適さ、従業員の気配り、接遇技術などは当日になって実際にサービスを受けるまでは分からない。
わずかに事前のビジブルな有形財と、受付をした従業員の打合せの応対ぶりからある種の期待感をもって、このサービスを買う意思決定をしたにすぎない。
このような不確定要素を多分に持っているサービスを販売する「サービス・マーケテイング」について、要点を述べてみよう。
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- 第1章 4-0-0 接遇サービスにおけるマーケテイング
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