第1章 4-0-0 接遇サービスにおけるマーケテイング

サービスについては次章で細かく触れるが、サービスは有形財である物財と異なり、購入した顧客が保有や保管することができず、かつ消費の瞬間に消滅する無形財という性格上、マーケテイングについてもある部分については、物財と同じ手法ではうまく適合しないことが多い。
サービスを商品とする典型的な事業といわれる「ホテル事業」を例にとって考察を進めていくと、サービスのマーケテイングはどのようにすべきかがはっきりしてくる。
顧客がホテルで結婚披露宴をする時、挙式や披露宴会場の規模、設備、内装そして料理や飲み物はパンフレットであらかじめイメージを膨らませ、現場で見たり試食したりして検討することができる有形財の部分もある。
しかし、サービスの質、施設の快適さ、従業員の気配り、接遇技術などは当日になって実際にサービスを受けるまでは分からない。
わずかに事前のビジブルな有形財と、受付をした従業員の打合せの応対ぶりからある種の期待感をもって、このサービスを買う意思決定をしたにすぎない。
このような不確定要素を多分に持っているサービスを販売する「サービス・マーケテイング」について、要点を述べてみよう。

関連記事

  1. 第6章 商品開発 4.企画商品開発の推進計画 (3)セールス活動

  2. 第2章 5-3 ホスピタリティの概念(日本ホスピタリティ協会の提案によ…

  3. 第3章 4.マーケティング・リサーチの進め方と種類 (4)調査票を作成…

  4. 第6章 商品開発 7.商品販売のターゲット (3) 顧客に対する便益戦…

  5. 第2章 2-1 言葉としての「サービス」の意味

  6. 第2章 3-4 犠牲的なあり方としての「サービス」

  7. 第6章 商品開発 8. 商品開発の新しい切り口としてのトレンドカラー・…

  8. 第2章 4-2-2 「サービス」業とは

PAGE TOP