第1章 3-3-5 「コントロール」と「フィードバック」

マーケティング活動は、前節の4Pをもって市場標的にアプローチする活動を指すが、その活動の実施プロセスにおいて、企業のマーケティング以外の「生産」、「財務」、「労務」などの他の部門や機能と緊密に連携しあう場面が発生する。
また、活動の最中に当初の計画とは異なる事態が発生することもあるので、活動中には絶え間ない業績のチェックとコントロールが必要不可欠となってくる。
それらのチェックおよびコントロールすべき事項は、次のような要索である。

*年間計画のコントロール
年間を通じて、各マーケティング活動の実績が計画通りであるかをチェックし、必要に応じて修正を行うものである。
マーケティングの中核となる目標達成のためのマネジメント体制の確立が欠かせない。
*収益性のコントロール
個別の製品、販売エリア、顧客層、流通チャネルなどを、それぞれの要素別に定期的に分析し評価するものである。
*効率性のコントロール
収益性のコントロールの結果、どこかで収益性と計画との間にスルレが生じた時は、販売員の資質、宣伝広告、販売促進、流通などをチェックし、これらをより効率的に管理する方法を模索することによって効率性のコントロールが行われる。
*戦略性のコントロール
企業が実施しているマーケティング活動が、市場環境とマーケティング機会に計画通りうまく適合しているかどうかを、システィマティックに検討し、評価しようとするもので、「有効性再評価」と「マーケティング監査」の機能が含まれている。
「有効性再評価」により計画とのスルが発見され改善を求められた時は、次の要素から
なる「マーケティング監査」が行われることになる。

a. マーケティング環境監査
市場、顧客、競合する他の企業、流通業者、関連サービス業者などについて、どのような傾向でマーケティング活動が進行しているかを分析する。
b. マーケティング戦略監査
企業のマーケティング目標や戦略が、現在のまたは将来の市場環境に適合しているかどうかをチェックする。
c. マーケティング組織監査
マーケティング組織が予測される環境変化に対応して、必要な戦略を開発したり改善をなし遂げる能力を持っているかどうかを評価する。
d. マーケティング・システム(社内体制)監査
企業自体がマーケティング分析、計画策定、改善を行うにふさわしい適切な体制を敷いているかどうかをチェックする。
e. マーケティング生産性監査
いろいろなマーケティング活動によってもたらされる販売の収益性や費用の効率性に関する諸データを分析する。
f. マーケティング機能監査
製品、価格、流通、販売員の活動、宣伝広告、販売促進、パブリシティなどのマーケティング・ミックスの主な構成要索のそれぞれについて、評価および検討をする。
上記のマーケティング・コントロールの結果は、マーケティング戦略の各段階に「フ
ィードバック」されることになる。

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