マーケティングの定義について多くの人が賛同し、公式的なものと認めているのが
「アメリカ・マーケティング協会(American Marketing Association)」による定義である。
このアメリカ・マーケティング協会(以下AMA)の定義は1935年に制定された。
以後、1961年、1985年の2度にわたって改定された、比較的新しい解釈である。
AMAの定義は以下のとおり。
- 1935年制定
マーケティングとは、生産地点から消費地にいたる商品
及びサービスの流れに携わるもろもろのビジネス活動である- 1961年改定
マーケティングとは、商品またはサービスを生産者からユーザー(使用者)へ
流通させるビジネス活動の遂行である- 1985年改定
マーケティングとは、個人や組織の目標を満足させる交換を創造するために、
アイディア・商品・サービスについて、コンセプト作り(概念形成)、価格設定、
プロモーション、流通を計画し実行するプロセス(過程)である
一方、日本マーケティング協会の定義は以下のとおり。
- 1990年制定
マーケティングとは、企業及び他の組織がグローバルな視点に立ち、
顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための
総合的活動である
これらの定義を見るかぎりマーケティングは、1935年にアメリカで発生した産業、
あるいは企業経営に関わる何かの技法だということは理解できる。
そして、何度か見直され、定義の幅が広がっていく過程で改定されてきている。
これらの定義は多くの産業生産物の製法よりも比較的新しく、
まだ1世紀も経っていない学説ということも分かる。
このプロセスを見れば、これらの技法は産業の発展のための技法だということも分かってくる。