前頁でお伝えしたマーケティングの定義をもう一度読み返してみる。
アメリカ・マーケティング協会(以下AMA)の1985年の改訂版では、
マーケティングを以下のように定義している。
「個人や組織の目標を満足させる交換を創造するために、
アイディア・商品・サービスについて、コンセプト作り(概念形成)、価格設定、
プロモーション、流通を計画し実行するプロセス(過程)である」
一方、日本マーケティング協会の定義は以下のようになっている。
「企業及び他の組織がグローバルな視点に立ち、顧客との相互理解を得ながら、
公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」
この両者の定義を比べてみる。
まず、AMAの定義は2度の改定を重ねたことにより、
定義の範囲がだんだんと広くなり、かつ具体化されてきている。
日本マーケティング協会の定義は表現こそ違っていても、
AMAの最新定義と同じ流れの中にある理論であることに気がつく。
本コラムの命題である「サービス・マーケティング」は、
広範囲なマーケティングの定義の一部である、「サービス」に限定して考察するものである。