わが国で、マーケティングという概念、実践的な市場活動がはじまったのは、
太平洋戦争終結後、しばらくたってからである。
1955年に当時の経団連会長 石坂泰三氏(日本生産性本部 アメリカ視察団 団長)が、
アメリカ視察を終え、羽田空港での記者会見で次のように述べている。
「アメリカにはマーケティングというものがある。
これからは、わが国でも重視すべきものである。」
これを契機に「マーケティング」という言葉が先端的なビジネス用語となり、
産業界では、企業が実践、活用すべき手法として、
もてはやされるようになったと伝えられている。
それまでわが国では、アメリカからの輸入理論として
細々と研究されていたマーケティング。
約半世紀前に、やっと陽の目をみるような地位があたえられた。
わが国のマーケティングは、
アメリカ以上にまだ若い技法なのである。