マーケティングという言葉が発生したのは、今から100年ほど前とされている。1902年にアメリカのミシガン大学で発行された「学報」の論文で、
この「marketing」という言葉がはじめてつかわれたとされている。
つづいて、1902年にペンシルベニア大学で「Marketing of Prooduct」という講座が開講し、
1910年にはウィスコンシン大学で「Marketing Method」なる講座が開かれた。
マーケティング関連講座が、20世紀初頭に相次いで開かれたのは、
当時のアメリカ経済の歴史的変遷が背景にある。
ゴールドラッシュにはじまり、西部開拓、
東海岸から西海岸にわたる大陸的な全米市場の誕生・・・。
マーケットは供給過剰となり、
販売をさらに拡大する必要性に迫られる事態にいたった。
すでに商品があふれかえっている市場で、
どのようにして自社商品のシェアを広げるのか。
また、どのようにして競合に勝ち抜くのか。
この問題解決には、学問としてだけでなく、
実際のビジネスにマーケティングの手法を取り入れて、市場のメカニズムを分析し、
顧客の欲しがる商品の開発、製造、流通、販売、消費にいたるプロセスを
研究せざるを得なかったのだろう。
マーケティングという言葉が生まれるまでは、
「Trade」、「Commerce」という言葉が使われていた。
わが国の大学でも、1940年頃までは「商品学」、「商業学」、「配給論」
という名前の講座が開かれていた。
マーケティングは、他の経済的な学問から見れば
比較的新しい学問であることは否めない。