第1章 2-4-3 マーケティングの実践に当たって

マーケティング計画の設定
いよいよマーケティングを展開するに当たって、最初にしなければならないことは周到なマーケティング計画を立てることである。
顧客満足を実現させるためには、まず明確に市場を特定しそれに向かって周到な計画を立てて実施することが必要である。
これをマーケティング計画(MarketingPlanning)という。
マーケティング計画の中心となるものは、 ”市場標的の設定”と”マーケティング・ミックス”である。
市場標的の設定とは、ねらうべき販売対象者を誰にするかを決めることで、現在のような成熟社会では、消費者(顧客)のニーズはますます多様化しており、販売対象者をはっきりさせないと焦点が定まらず、売上げに結びつかないのである。
市場標的を設定するにはいろいろな方法が紹介されているが、一例を挙げれば、図のような性と年齢を対象的に配置して検討する方法がある。
ヨコ軸に性別、タテ軸に年齢を対比させれば、そこに4つの市場が分類される。
この4つのどの市場を標的にするかを決めれば的が絞れる。
市場標的を仮に女性の低年齢層とした場合、(実際にマーケティングを行う時にはこの市場をさらに細分化しなければならないが)少なくとも他の3つの市場とは異なるニーズを持っている市場であることは一目瞭然である。
そこでこの市場のニーズを正確につかみ、それらのニーズを満足させる商品を提供したり、販売の方法を検討する。

PDCA (ピー・デイ一・シー・エー)の管理サイクル
マーケティングの具体的活動は、計画(Plan)→実行(Do)→確認(Check)→処置(Action)の4つのプロセスを経て行われ、これが絶えず循環して精度を高めていくことになる。

計画を立案して実施に移し、計画通り成果が上がったかどうかを確認する。
計画が設定した通り行われれば、一応そこで成功ということになる。
しかし、万一計画通りの成果が上がらなかった場合は、どうして成果が上がらなかったのかを、徹底的にその原因を調べて明らかにしておく。
そして、誤った部分の是正措置を行う。成果が上がらなくても、失敗の原因をつかみ是正措置を行ったことで、この失敗を次の成功に結びつけることが可能になる。
たとえ成功した場合でも、それで終わりということではなく、循環している一連の活動のプロセスを十分にチェックし、チェックした項目を次のマーケティング計画にいかすようにする。
この”計画”から”処置”に至るプロセスのサイクルは「管理のサイクル」といわれ、マーケティングのみならずあらゆる活動に適用される。
「管理のサイクル」を常に廻すことで、継続的な改善が日常的に行われ成果がますます大きくなる。
なお「管理のサイクル」を”計画”→”実行”→”評価”の3つのプロセスに簡略化し、PDS (Plan→Do→See)とすることもある。

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