企業がマーケティング活動を経て知恵を絞り、開発し告知した結果ヒットした商品は、当初はオリジナル商品として「これぞ私が欲しかった商品」と顧客の絶賛を浴び、よく売れたとしても時間の経過とともに感銘が失われ、あるいは競合する他社に類似商品が出てくれば、やがてはオリジナリティの香りの高かった商品が画ー化され顧客に飽きられてくる。
よく売れているうちに、顧客の志向の変化を敏感に検索できるマーケティングを行い、飽きられる前にさらなる付加価値の商品に加え、改善していける企画力が勝負となることに違いない。
ホテルでいえば、顧客には人と違った結婚式、自分だけのオリジナルな披露宴をしたいという「個性化志向」が強く、商品が高級化すればするほどこの欲求は、一般の人とは違ったものを欲しがる「高級化志向」も見逃せない。
このように売れる商品作りは、時々刻々変化する顧客のニーズを的確に捉えるマーケティング技法によるところ大である。
このマーケティング技法を駆使して売れる商品の要素を探し出し、とくにサービス産業の場合では、「付加価値創造」のヒントを捉えることはマーケットのニーズ発掘のみならず、新しい商品開発につながることも多い。
一例として目下ブームになっている「健康問題」に目を転ずると「健康のために何をしているか」という調査回答では、スポーツ、ゴルフ、エアロビクス、ジョギングなど実際に体を動かすことは、年を取るにつれて少なくなり、逆に栄養剤、健康食品の摂取、温泉、人間ドックといった体に負担をかけない行動が増えてきている。
こういうような調査から健康産業の市場は拡大しており、アルカリ・スボーツ飲料や低カロリー・シュガー、シュガー・レスの甘味料といった商品が立派なマーケットを形成するに至っている。
さらには道路交通法の改正により飲酒運転の規制が厳しくなると、多くのレストランがノン・アルコール・ビールやアルコール分の低い飲料などを置く社会現象も顕著になってきている。
加えて、顧客の居住している地域の経済情勢、文化、風習、嗜好などの要因がこれらに相乗されると、顧客ニーズは驚くべき速さて変化しとどまるところを知らない。
これゆえに、この顧客のニーズの変化を知れば、企業はヒット商品だからといって十年一日がごときマンネリ体制で、商品を提供し続けることがてきないことは自明の理である。
生活必需商品とは縁遠いホテル業界にあっでは、このようなマーケットの二ーズの変貌に対して、常に情報収集のアンテナを張り巡らして適宜適切に対処することが、売れる商品を持つ秘訣となる可能性が高い。
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