マーケティング・リサーチの進め方は、標的とするマーケットに自社商品やサービスを販売する場合のステップとして、 「第1章4-1-3マーケティング環境の分析」で述べた通り、調査に入るまでの社内での準備、実際の調査、そして収集したデータの分析を経て各課へ報告し、販売方針、方法を確定することになる。
ここでは、それらを具体的に明らかにしていく。
(1)市場調査のステップ
下表は市場調査のステップの経過図(すでに掲載済み)であるが、この図の順序にしたがってこれら各段階の内容について詳述する。
1.目的の明確化
マーケティング・リサーチを始めるにあたり、この調査は何のために行うのかという目的をはっきりさせておく。
2.状況分析
現在の経済環境、自社の置かれた立場と営業状況、標的とする市場・顧客の動向など、自社が目指す商品やサービスの販売に対するさまざまな状況を分析する。
3.仮説の設定
「このような手法で自社の商品やサービスを販売する」という仮説を設定して、標的とするターゲットを定める。
4.調査範囲の決定
前項の仮説が成立すれば、マーケティング・リサーチの対象を決める。調査範囲は調査対象、調査地域、モニタリングの対象者などを確定する。調査地域は全国か、近畿圏か、大阪府内か、特定の地域かなど、また調査対象は決定した地域内の顧客全般、企業・団体、OL、主婦、男性・女性、年代別など、調査目的との関連で決定する。