人のふりみて我がふり直す-カスタマーサービス

日本では、大体どこに行ってもお店の人や、電話に出る人は平均的に丁寧に対応してくれますが、アメリカでは個人によるところが多く、人によって全く違う、ということが良くあります。
アメリカに来たころは、日本とのサービスのギャップに驚く、というか、真剣にむかつくことが多かったのを覚えています。ランチをオーダーしただけなのに、「今度からTo Go (持ち帰り)と言えよ」と偉そうにモールのフードコートのお店のマネージャーに言われたり、郵便局の手違いで戻された郵便物のことを尋ねたら、謝るどころか「それは間違い、知らないあなたが悪い。」などと切れる担当者など、開いた口がふさがらないような事件を多々経験しました。今では、それが普通の期待レベルとなり、真剣にむかつくと損をするので、適当に流すテクニックも身につけたのはいいのですが、普通に対応してくれただけで、「素晴らしい」と感じてしまうほど、私の感覚も大分麻痺してしまいました。

私が今でもいやなのは、電話でカスタマーサービスを受けるときです。アメリカのこういったサービスを受け付ける担当者は(ごめんなさい、すべての方がではありませんが)、対応が悪い人が多いのです。マニュアル通りにしか対応できず融通がきかないか、マニュアルがないので対応の仕方をしらない(トレーニングしてもらっていない)かがよくあります。

先日、家の裏の扉のところに蜂の巣をみつけたので、年間サービスを契約している害虫駆除の会社に、駆除サービス依頼の電話をかけました。この会社は、3ヶ月に一度の通常サービスの間に、害虫などのトラブルを見つけたらいつでも来て退治してくれる、という頼もしいサービスです。最近は、自分の登録している電話番号からかけると、システムが自動で認識してくれるので、今回電話に出た担当は、「ショーレンバーガ様ですね」とすぐに私が顧客であることを確認してくれました。「お、結構いいな。」と感心し、早速、追加駆除に来てほしい、最近担当サービスマンが変わって、裏庭のパティオの軒下に目が届いていない様だと話すと、私がまだ話し終わらないうちに、「お客さん、この前もすでに一度追加サービス行ってますよね。」と責めるような感じで言ってきました。そして、見えにくいところにひとつ大きな巣があるのでそれを説明すると、「サービスマンが行った時にチェックするから」と人の話を遮った上、「裏庭をチェックしろともうシステムに書いた」と、いかにもそんな細かいことは書く必要ない、というニュアンスで言うのです。こういう対応は結構日常茶飯事なので、むかつく気持ちを抑え、やっと次の日に来てくれる約束を取り付け落ち着きました。

さて、このシナリオ、あなたがこの担当のマネージャーなら、どの様にこの担当者に指導しますか?業界は違いますが、対応の基本は一緒。ホスピタリティを職業にしているあなたなら、きっとわかりますよね。細かいことは色々ありますが、シンプルに大事なポイントをまとめてみました。ちょっと今日のブログは講義調になってしまいますが、是非参考にして下さい。

1.自分を切り離すこと
クレームなどを受けた時、自分が「プロフェッショナル」であるという意識が出来ていないと、お客さんから自分が責められているような気分になって、言い訳したり、言い返してしまったりすることになります。まず、「自分」を切り離して「プロ」になりきることが必要です。

2.まず話しを最後まで聞くこと
まず、黙ってお客様の話しを最後まで聞くべきです。相手の話を遮ったり、責めるようなことを言う必要はありません。(これは友達でも言えることですよね。)相手の気持ちを逆撫でして状況を悪化させるきっかけになってしまうことが多いです。クレームの際、英語ではよく担当者が”I am sorry for the inconvenience” と言うのですが、これはとても便利な言い回しです。「その様な不便な思いをおかけしてすみません。」という意味なのですが、日本語でもまず、いたわる気持ちを伝えると、あとのやりとりがきっとスムーズになると思います。

3.繰り返して確認する
お客様の話を、まとめて繰り返すと、内容の確認とともに、お客様は自分の不満や要求を聞いてもらえたという満足感、安心感を受けることができます。言っていることが伝わったと言う感覚になってもらうことが大事です。(クレームなどで、実際要求通り対応出来るかどうかは別なので、次のステップを使います。)

4.先回りする
これが結構役に立つテクニックです。お客様がしてほしいという要求を先回りして提案します。例えば、上の例なら、隠れたところにある蜂の巣の件は、「サービス担当者が見逃さないように、その見えにくい所にある蜂の巣のことはシステムにメモしておきましたよ。」と先回りして私に言ってくれていたら私はどう思ったでしょう。「よく考えてくれるな」となりますよね。もちろん、お客様の要求に対応出来ない場合もありますよね。そんな場合でも、この作戦で要求通りの対応は不可能であることを明確にし、それの代替案を提案します。「できません。」で終わらずに、「残念ながらこれはできないのですが、この方法なら可能ですがいかがですか。」という風にです。「できません、すみません。」で終わらないで下さいね。一歩進んで、先回りできたら、それがお客様が受け入れてくれても却下されても、お客様のために努力してくれたという姿勢が伝わり、顧客満足(CS)につながるのですね。

もし、あなたが日本にいて、日本でホスピタリティー業界にいるなら、そんなの当たり前、と思う方も多いかもしれません。しかし、世代は変わっています。欧米の影響を受けて、対応がぞんざいになってきてはいないでしょうか。もう一度、自分の作戦を見直して見て下さいね。日本のサービスは一番であるという誇りをもって下さい。

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