5.標本(サンプル)の設計
標本の抽出法は以下のように分類される。
◎有意抽出法
事前に何らかの特定した条件等の意図に基づいて、サンプルを抽出する方法。
◎無作為抽出法
全く作為を入れず、大きな元となる集団からサンプルを抽出する方法で、現在はほとんど、このランダム・サンプリング方式が使われている。
この方法には、さらに下記のような方法に分類される。
*単純無作為抽出法
リスト化された全調査対象者に一連の通しナンバーをつけ、必要なサンプル数だけ乱数表(0から9までの数字が不規則に並んでいる表、全体としては数字の出現度数は等しくなるとされている)を用いて抽出する方法で、抽出する数だけ乱数表を繰り返し操作しなければならない。
このため手数がかかるのでサンプル数が多い時はあまり使われない。
*系統的抽出法
スタート・ナンバーを乱数表で決めて、後はその番号ごとに等間隔で必要数のサン
プルを抽出する方法。
*多段抽出法
抽出対象全体を何らかの基準にしたがって、いくつかのブロックに区分し、その中からいくつかを無作為に選び、それらをさらに下位のブロックに分割してその中からいくつかを選び…、というように必要回数に応じて繰り返し、サンプルを抽出する。
第二次抽出(二段抽出法)、第三次抽出(三段抽出法)が広く使われている。
一例として大阪市の世帯主を被抽出者とする場合、第二次抽出として、まず区の数に分けこの中から3区をランダムに抽出し、次に第三次抽出としてこの3区を10の町・丁に分け、その町・丁について必要な数の世帯主をランダムに抽出するといった方法である。
この方法は、かなり広範囲にわたっている一般的な消費財の市場調査をする時の方法として広く使われているが、ホテルのように特定された対象者を抽出するには不向きである。
*層化抽出法
調査日的に沿って、意味のある基準によって全体をいくつか等質の要素に分け、比例配分でサンプルを抽出する方法である。例えばある地域で、あるメーカーが自社の「新製品α」に対する消費者の年齢層別のウォンツを調査しようとする場合、年齢を10代、 20代、 30代…70代以上に分け、調査地域の年齢別人口に比例する形で必要サンプル数を各年齢に割りふり、具体的な被対象者をランダムに選択するのである。