テキサスシリコンバレー

2016年もすでに4月、日本はすでに桜が満開で、私のFBでもお友達が美しい桜の写真を沢山ポストしてくれてバーチャルお花見を楽しませてもらっています。ここダラスでは、この冬は暖冬で、冬を感じる間もなく春に突入した感じがあります。寒いのが大嫌いな私には嬉しいことなのですが、これが地球の温暖化の影響であるなら考えさせられるところです。

今年に入り、ダラス周辺の開発がさらに活発化してきました。特に私の住んでいるフリスコ(ダラス北部)のあたりは驚くほどの速さで開発が進んでいます。アメフトのダラスカウボーイ本社をはじめ、トヨタ、Fedexなどの社屋建設だけではなく、アパートや新しい住宅地もどんどん建ってきています。それにあわせてインフラ整備もすすんでいるので、ハイウェイが迂回で閉鎖などのため、どこにいっても交通渋滞です。

経済が活発になるのはとても嬉しいのですが、手放しでよろこんでいいのか、少し考えるところがあります。私は1990年代後半にカリフォルニア州にあるサンノゼに住んでいました。シリコンバレーとしてサンノゼの地域が世界から注目を浴びていたころです。半導体を初めIT関係の会社が新しくビジネスを始め、インドや中国から高度技術のあるエンジニアがどんどんと流れ込んで来ていました。人口は膨らみ、次々とアパートや住宅も建設され、朝の交通渋滞は15分の距離の通勤は45分から1時間かかるほどになって行きました。地価、資産価値が急激にあがり、それにあわせて金融会社もどんどんと融資を緩めていきました。はじめは結構のんびりしていたサンノゼが、忙しい町になっていったのを目の辺りにしましたが、その後、2000年代後半に米国のバブルがはじけ、経済は衰退、半導体業界を中心にシリコンバレーの勢いは衰え多くの会社が撤退していきました。

フリスコの変化はシリコンバレーを彷彿させます。2006年には道1本しかなく高速道路が途中までしかなかった町が、サンノゼのように発展している。ゆっくりとしていた生活がどんどんと加速し、毎日の生活がさらに忙しく余裕のないものになりつつあります。多額の資金が投資され生活基準がどんどん高くなり人々の暮らしが便利になる一方すべての物価が高騰してきています。フリスコはこのまま発展し豊かな町になるのか。それともいつか止まり物価がつりあがったまま、ただ高くて住みにくい町になってしまうのか。

私は、フリスコが本当の発展した町になるには「世界をリードしていける特別なものを持ち続ける土壌」が作れるかどうかにかかっている、と思っています。

経済は変化します。歴史的にみると、昔に発展した町がすべて必ずしもそのまま裕福な町として存続しているか、というと疑問であることは皆さんもお分かりになると思います。一度は落ち込みをみせたシリコンバレーが、また活気を見せていますが、それはなぜなのでしょう。それは、シリコンバレーしかできないことを持っていたからだ、と思います。時代の変化により最近は人口知能やビッグデータなどを利用したテクノロジーに世界からの注目が集まりシリコンバレーにビジネスがまた戻って来ています。バブル崩壊後、一旦は勢いが衰えたものの、荒廃に向かわず、最発展の方向に向かうことができているのは、世界が「シリコンバレーならそれができる」「それができるのはシリコンバレーしかない」という確固たる自信をシリコンバレーの地域に対して持っていたからこそだと思うのです。シリコンバレーは、そのテクノロジーを世界に提供できる土壌をつくり保持していた。その地域からしか発信できない特化した技術力を開発できる土壌があるのです。

フリスコは、「何」で世界をリードすることができるのか-それが、フリスコがずっと発展し続けていけるかどうかの鍵だと思います。サンノゼ辺りは半導体業界から始まったので「シリコンバレー」という名がつきました。このフリスコエリアはどんな名前がつくのでしょう。今のところ、複数の異なった業界が混在している不思議な場所なので、どういう方向に向かうか私にもまだ見当がつきません。新しい展開があれば、また皆様にご報告したいと思います。それまで、色々アイデアを膨らませておきましょう。

(注:私はエコノミストではありませんので、経済に関するコメントは一般的個人的な見解です。)

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